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家づくりブログ

2025.07.11
上林
パッシブデザインの要「軒出し」とは?
皆様こんにちは!
シンプル工務店
見積もり・インテリア担当の上林です!
今回は、パッシブデザインにおいて
欠かせない要素のひとつ、
「軒出し(のきだし)」について
お話しします。
最近は省エネ性能の高い住宅が
注目されていますが、
その中でも
「機械に頼らず、自然の力で快適に暮らす」
ことを目指すのがパッシブデザイン。
特に日本のように
四季がはっきりした地域では、
太陽の動きに合わせて設計することが
とても重要です。
そして、軒出しはまさにその
“太陽のコントロール装置”なのです。
軒出しってそもそも何?
「軒出し」とは、
屋根の端が外壁よりも
外側に突き出している部分のこと。
昔の日本家屋に多く見られる
“深い軒”も、この一種です。
外から見ればちょっとした庇(ひさし)に
見えるかもしれませんが、
実はこの部分が
日差しの調節・窓の保護に
大きく貢献しています。
軒出しが果たす3つの役割
① 夏の強い日差しをカット!
夏の太陽は高い位置から差し込むため、
軒を深くすれば
直射日光が室内に入るのを防ぐことが
できます。
これにより室内の温度上昇を抑え、
エアコンの使用を減らすことが可能です。
② 冬の陽ざしはしっかり取り込む
一方で、冬は太陽が低い位置を移動します。
そのため軒の下から日光が差し込むことで、
自然に暖かさを得られるのです。
上手に設計すれば、
冬でも暖房の必要を抑えることが
できます。
軒出しの長さってどう決めるの?
一般的には、
地域の緯度や太陽高度、
窓の位置などをもとに、
最適な軒の長さを設計します。
たとえば本州の平地なら、
南向きの窓には60〜90cm程度の軒が
効果的とされることが多いです。
ただし、敷地条件や建物の形状によって
調整が必要なので、
建築士としっかり相談することが大切です。
軒出し × その他のパッシブ要素
軒出しは、
次のようなパッシブデザイン要素と
組み合わせることで、
より高い効果を発揮します。
- 通風設計(窓配置や風の通り道)
- 断熱・気密性能
- 太陽の動きを計算した窓の配置
- 落葉樹や外構との連携
自然の力を最大限に引き出すためには、
建物全体のデザインと軒出しが
一体になっている必要があります。
まとめ:軒出しは“最も美しい機能性”
「ただの屋根の出っ張り」
と思われがちな軒出しですが、
実はパッシブデザインの中心的存在。
太陽の角度を読み、
自然を味方につけることで、
夏は涼しく、冬は暖かく、
快適でエコな暮らしを実現してくれます。
現代の住宅設計では、
軒を短くする傾向もありますが、
日本の気候を考えると、
適切な軒出しはむしろ“現代的な知恵”と
言えるのではないでしょうか?
これから家づくりを考える方や、
住環境を見直したい方は、
ぜひ軒出しにも目を向けてみてくださいね。
それではまた!
上林